ハゲ割導入のホテル!「頑張ってる貴方をハゲますサービス」

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北海道のホテルが「ハゲ割」を開始
坂東太郎 | 早稲田塾論文科講師、日本ニュース時事能力検定協会監事
2014年8月19日 13時36分

●排水溝の抜け毛処理が大変

《7日、同ホテルの従業員が「清掃のうち、浴槽や洗面台の排水溝にたまる抜け毛処理が一番手間がかかる」とぼやいたところ、現場で話を耳にしたスキンヘッドの三浦(孝司)社長が「私みたいに毛がなければ掃除も助かるね」と一言。これをヒントに導入が即座に決まり、翌8日からホームページで告知を開始した》

とのこと。排水溝の詰まりは家庭でも厄介で逆流してきたり悪臭がしたりと大変。管理組合が機能しているマンションはたいてい年1回の調査が来ます。まして清潔感が欠かせないホテルとなると「不潔」は命取り。最大の要因である抜け毛処理がもともと不要かそれに近い短髪者は手間をはぶいてくれるから安くしようとのアイデアのようです。ホテルの運用会社は北海道を中心に東京、神戸、九州など10以上の施設にも広めていく予定だそうです。経営理念は

・すばやい対応お客様の立場に立った対応で顧客様を満足させる。

・顧客様ターゲットをビジネス宿泊客に定めてより良い仕事が出来るように役立ちたい

です。なるほど。層雲峡マウントビューホテルは昨年末オープンしたばかり。さっそく「すばやい対応」をしたのですね。

層雲峡谷といえば断崖絶壁の景観に滝が流れ、温泉も湧いています。ホテルはシャンプーが常置されているのでスキンヘッドや短髪の人は洗髪分ちょっと損をした気になるもの。そうした小さな不満(本人すら感じていない)も解消できる素晴らしいアイデアといえましょう。
●有名人はハゲを嫌う

「ハゲは世の役に立つ」という逆転のメッセージを伝えたのも大きい。老いを連想させる自然の摂理に多くの人があらがっています。しかし人が老いて衰え、やがて死を迎えるというのは誰でも知っている真実。ならば現象を嘆くのではなく前向きにとらえるビジネスもあっていいはずです。世界初の超高齢社会(高齢化率25% )に突入して久しい日本は「課題先進国」とも呼ばれています。平均寿命は男性80歳、女性86歳と男女とも90歳に迫る勢いの時代に、老いをただのマイナスととらえてガッカリするのではなく、むしろそれがいいのだと後押ししてくれる企画が続々と出てくれば健康管理とか介護予防とかいった真正面からの対策とは別に心にゆとりを与えてくれるでしょう。

ハゲに代表される薄毛に悩む人たちのなかには開き直って?スキンヘッドにする人も若干います。ただ無くなった分だけ残っている髪の毛がいとおしくなって踏み切れなかったり、そこまではと超短髪で対応しようという人もいるようです。筆者の知り合いもそうでした。もっとも彼はまだらな五分刈りを同居している母に見とがめられ「戦後の空襲跡を思い出すから止めてくれ」と嘆願されて断念しましたが。

そもそも何でハゲがいけないのでしょうか。特に有名人や公人が忌み嫌うようです。綾小路きみまろさんのようにカミングアウトしている方はごくわずか。先に紹介した『サンデー毎日』の記事によると

「耳たぶや顔のしわと並んで髪は老化が目立ちます。若々しさがもてはやされる昨今、テレビに出る男性は髪が少ないより多い方が有利。モテて当然です」(医師・作家の米山公啓さん)

とのこと。世は高齢化がすごい勢いで進んでいる「のに」、あるいは「ので」「若々しさがもてはやされる」のかも知れません。そこが生命線の有名人は、だから隠そうとしてあれこれし「黒い疑惑」が持ち上がるようです。
●多ければ「若さ」、少ないと「経験」

記事は薄毛を気にしていなかった吉田茂と田中角栄の両元首相を挙げて、近年の首相は皆フサフサだという点にも分析しています。精神科医のゆうきゆうさんによると「髪の量が多ければ『若さ』を、少なければ『経験』をアピールする」そうです。確かに両元首相には風貌からそうした重みのようなものが感じられました。

主要国の首脳をみると薄毛派はフランスのオランド大統領とロシアのプーチン大統領。確かに重厚でプーチン大統領に至っては凄みすら感じさせられます。イタリアの実力政治家ベルルスコーニ氏は微妙。本来「経験」で勝負していい経歴があるにもかかわらず髪の「黒い疑惑」があるのはご本人が文字通りの「黒い疑惑」満載だというのも関係しているかもしれません……そんなことないか。